✴︎ラスside

ラスー!あっちでイカソフトクリーム売ってる!!」
「えっ!それ絶対マズイだろ。」
しかしカノは嬉しそうに走り出した。
そしてイカソフトクリームの行列に並ぶ。
行列ができるほど美味しいのか?
僕は仕方なくカノの後に付いていく。
ん?
ユウヒだ。
ユウヒは作業服を着た女の人の後ろについていっている。
その後ろには、えっと、クラスメイトの…あ、仲間さんか。
何するんだろ。
なんだか気になって、こっそり後をついていく。
すると、立ち入り禁止というドアの前に来た。
埃っぽくてカビ臭い。
なんだここ。
使われてない場所じゃないか。
なんでこんなところに。
「じゃあ、この中で準備しましょうか!」
「はーい!アイ、魚にエサやりなんて楽しそうでワクワクするね!」
「…うん。」
3人が話ししているのをこっそり聞く。
いや…、こんなところでエサやり…。
カビ臭い匂いが鼻をつまらせる。
ここは…絶対違うだろ。
どうみても使われてない場所。
「…アリサさん。多分ですけど、ここ、エサやりする場所じゃ無いですよね。」
仲間さんがハッキリ言った。
「そうね…確かに違うけど。中で裏に繋がってるの。ここの入り口が近かったからここから入るだけで。」
アリサさんにそう返されて仲間も何も言えなくなった。
その瞬間、アリサさんって奴の目が光った。
青い…。
青?!
さらに手首にはリストバンド。
これは…。
やばい!!!
僕はカノを呼ぶために走った。
もとの場所にもどると、カノは行列の前の方まで来ていた。
「いらっしゃいませ!ご注文は?」
「イカソフトクリームを…。」
「カノ!!来い!!」
ソフトクリームを注文しかけていたカノを引っ張って行列から出た。
「え!ちょっと!ラス!!」
カノはかなり驚きつつ、残念そうな顔になる。
「イカどころじゃない!カノ!来てくれ!ユウヒが…!」
「ユウヒちゃんがどうしたんだ?」
「とっ、とにかく走れ!」
俺は思い切り走った。