✴︎カノside
俺は彼女の車椅子を押して商店街を抜けた。
すると道はオレンジ色になってきた。
ポツンポツンと時々街灯があるだけの田んぼ道。
辺りは少し暗くて寒い風が吹いてきた。
彼女は病院の入院患者の服を身にまとっていて、寒そう。
俺は着ていたコートを脱いで着せた。
「…何これ。」
「風邪引いて俺のせいにされたら困るんだよ。」
俺が強めにいうと彼女はだまった。
俺らは会話をすることが減ってきた。
やばい…。
もう少ししたら帰らなくてはいけない時間だ。
僕は太陽から来た留学生。
太陽は暑い。
だから太陽の温度に慣れたヒト達は地球がかなり寒い。
そこで服用するのが、地球の気温に体をあわせるための薬。
俺にはそれが欠かせないのだ。

