毎日の入院生活で人との交流の無い私は人と話すのも得意では無い。
話しかけてみると怒られてしまった。
私は慌てた。けど言葉がでない。
しょうがない。
諦める。
彼に背を向けながら自分の不甲斐なさに後悔した。
車椅子を進めようと車輪に手を掛ける。
「おい!!」
私は彼に呼び止められた。
そして車輪の上に置いた私の手を彼の手が包んだ。
「お前…!手どうしたんだ!」
彼は私の目線と同じ高さにしゃがむ。
そして、私の手を自分に近づけた。
「真っ赤だし、腫れてる。」
彼は、あー。といいながら周りを見渡した。
「あった!薬屋!行こう!」
そう言って彼の目が一瞬光った。
目が…!