俺の406年前の留学先。
ここだ!
ついに見つけたんだ!
俺は祠の前にしゃがみこんだ。
406年前、俺はここに立っていた。
祠の周りはコンクリートで硬められ、昔の影は消えかかっていた。
俺は祠の前で手を合わせた。
「お若いの。」
ん?
顔を上げると白髪のお爺さんが立っていた。
「お主、若いのに感心だな。」
ほうきを両手で持っている。
どうやらここを掃いていたみたい。
「いえ、俺のちょっとした思い出の場所で。」
俺がそう言うとお爺さんは笑顔になった。
「そうかそうか。」
そう言ってまたほうきを動かした。
「…お爺さん。あの山…いつか噴火したことありますか…?」
そう尋ねるとお爺さんの笑顔が消えていく。
「……あぁ。400年くらい前にね。」
その言葉を聞いて俺は改めて確信した。