「アイツ、何者?」
お喋りなクラスメイトの竹原くんが携帯をいじりながら呟いた。
「まず名前変だよね。」
「国際的な家庭環境だってことはなんとなくわかる感じ。」
「日本語まだうまく喋れないのかな。」
そんな疑問や話が盛り上がった。
ほんと、不思議な人。
そのままユウヒはさっき見たの転校生の横顔を思い出していた。
綺麗なこげ茶色の目。
ふと隣を誰かが通った。
ドンッ。
「いてっ!」
小さく声を漏らしてわたしの机にぶつかって来た。
自分の世界からハッと目を覚ますと。
ぶつかって来たのはあのラスくんだった。
「ごめん…。」

