鳥のさえずりがあまり耳に入ってこない。
するとラスくんはひとつひとつの言葉を噛みしめるようにして話をはじめた。
「…僕と、望月…、いや、ユウヒ。…僕は君のことをユウヒと呼んでいたんだ。…四年前の話なんだけど。」
「…四年前…?いや、そんなの嘘だよ!何言ってるの?ワタシはあなたのことなんか知らない!」
そうだ、ラスくんの顔なんて覚えてない。
しかも、たった四年前のことならしっかり覚えているはずだ。
一瞬会っただけかと思ったけど、ラスくんはわたしのことを呼び捨てで 呼んでたからきっと顔見知り程度の付き合いだった訳じゃなさそうだし。