「…このぬいぐるみはね。カミナリっていうの。今日名前が付いたのよ。月にすんでるウサギさんなの。」
…月に住んでるウサギ…。
僕はその話に頷くことしかできなかった。
「お父さんは今日、月に行っちゃうんだから。」
え!!月に!?
いや、地球から月へ行く留学生なんてまだ聞いたことがない。
「…月に?どうして?」
何故、地球人と月のヒトの交流を知っている子供がいるんだ…?
そんな!月のヒトを知ってる地球人なんて政府以外に知ってるはずは…。
「死んだってことよ!!」
彼女は下を向いたまま叫んだ。