無言で座る。
「…大丈夫か?」
彼女の顔を覗き込む。
「…なんで、なんで人間ってこんなに平等じゃないの?ワタシが何か悪いことしたっていうの?…ねぇ、教えてよ。なんでこんなに…。なんでこんなに辛いの…!!」
カッと彼女は顔をあげると僕に飛びかかった。
ドンッ
そして僕を一発殴った。
「…痛え!!何する…っ、え!」
そのまま目の前で彼女はまた泣き出した。
「…幸せそうなあなたには関係ないかも知れないけど…辛いの!助けてよ!!ねえ!」
彼女のうつろな目に思わず顔を背けてしまう。
彼女は肩を上下させながら一つため息をついた。
「…お父さんがね。これくれたの。見て。ウサギのぬいぐるみ。」
彼女はそういって一つのぬいぐるみを渡してきた。