「いえ、望月さんのお母さん。昨日彼女を怒らせてしまったんです。」
いや、怒ったんじゃないよ悲しませただろ…。
「…そうなの?じゃあ、お茶でも用意しますね…。ラスくんは風邪がうつらないようにしてね!」
「はい。」
お母さんは部屋から出て行ってしまった。
「あの…。風邪なのか?」
彼の色素の薄い瞳が光った。
「……違う。」
彼は私の態度を感じ取ったみたい。
「やっぱり……。僕のせいだよな。」
……。
「…。だって、バカにしてるんでしょ?ワタシのこと。影でこそこそ笑ってるんでしょ。だからあんなこと…。」
彼から目をそらして枕につっぷしたまま話す。

