もし、カノの目的が僕を援護することだったら…。
「ラスを援護するためだ。忘れたの?俺はラスに命を救ってもらったんだ。」
やっぱり。
援護をする?
やめてくれよ。
「僕は、自分の力でなんとかする。自分の力で…。」
自分の腕に巻かれた包帯を見る。
刻印が押されている手首。
月。
僕の一族の印。
その印を反対の手でギュッと握りつぶした。
「僕に構うんじゃない…。カノ。でも、お前が来てくれてホッとしたんだ。素直に嬉しかったんだ。」
僕はそういうとカノは涙を浮かべた。