家で一度開いてみたのだがすぐ諦めてしまった。
だって分からないんだもん…。
「おはよう。」
そうやって言ってクラスに入って来たのはラスくんだった。
不意に目が合う。
彼は私に軽く「おはよう」って言って席についてしまった。
ラスくんは余裕なんだろうな。テスト。
そう思いながら数学の問題を読む。
あ!!
これ、どっかで…。
あ、これ!昨日ラスくんが教えてくれた問題に似てる!!
公式を使って、本当はここはマイナス。だけど…。
ラスくんの言葉が一言一言蘇る。
分かる!
わたしのシャーペンが珍しくスラスラ動いた。