マーブル

私は澤田さんや雪川さんのように男子とキャピキャピ話せるようなキャラじゃない。
男子と喋ることなんてめったにない。
そんな自分が男子と会話してるのが恥ずかしくなった。
それに私は男嫌いなんだから。
なんで話しかけて来たのかさっぱりわからない。
「あの、ごめんね?いきなり迷惑だったかな。」
私が考え事してたせいで彼の話を聞いて無かったらしい。
「いや!そんなことない!ってゆうか嬉しいよ、ほんとに分からなくて困ってたから…。」
早口で言葉を滑らせる。
なんか嬉しいとか言って自分が自分じゃない。
「よかった。」
彼はそう言って笑った。
色素の薄い茶色の瞳に夕日が映り輝きを増していた。
彼は慣れないクラスメイトにきっと頑張って話しかけてくれたんだ。
そう思うことにした。
「ねぇ、ここの問題は?これは公式を使うんじゃないの?」
質問してみる。
「うん。そうそう。それで解き方にコツがいるんだよ。本当はここマイナスなんだけど…」