想い人





「いやーそれにしてもテスト難しかったなっ!」


「それはアンタが勉強しなかったせいでしょ?」


「亮太くん頭良さそうなのにねぇ?」


「そう?根っからのアホ顔でしょ?」



4人は近くのファミレスへ入った。



「りんね、二人に聞きたかったんだけど、付き合ってるの?」


「ちょ、りんちゃん率直すぎ!」


「だって〜気になるじゃん!」


「だっれがこんなんと付き合うかよっ!ありえないよなぁ?」



その瞬間かほの表情が曇った気がした。



「ありえないありえない!!」



でもいつもの笑顔に戻ったから私は気付かないふりした。



「なぁーんだっ!!」


「りんちゃんは?彼氏いないの?」


「んーいないよ?募集中かなっ」


「お前はいないのかよ?美里」


「彼氏?いるわけないじゃん!」



彼氏、うん、いないで正解だよね?

いないいない!!

でも、あのキスはなんだったんだろう。




「好きな人は?いないの?」



ドキッ!!!



「い、いないよっ!!」


「あっれ?ムキになってる!!もーしーかーしーて??」



かほが聞いてくる。

思わず焦ってしまったじゃない。

好きな人なんていない。

あんな人……