「葵くんが好きなものたくさん作るね」 にこっとして料理を始める紫乃。 「紫乃」 「ん、何?」 振り返ったと同時に軽く触れるだけのキスをした。 みるみるうちにまた顔が赤くなってくる。 ほんと面白い。 「ちょ、ちょっと葵くん!」 ポカポカと叩いてくるけど、痛くないし。心配させたんだからこれぐらいいいでしょ。 「もぅー、それじゃ作るからね」 照れながらも料理を始める紫乃にクスッと笑いつつ、 「昼飯食べたらどっか出掛ける?」 と聞いてみた。さっきみたいにどこかに行かれると困る。