甘えん坊男子の恋事情。






「先生!優美が怪我したー!」


「あらあら、どうしたの。」


「……着地の際に、ちょっと捻ったみたいです。」


「そうなの!?あら……でも、私いまからこの子を家まで送らなきゃならなくて……。」




早退する子の送り届けか。めんどくさそうだな。



「……そうですか。風くん。試合に戻ってて。優は私が見てるから」


「えっ、でも。」


「ねっ??」


「わかった!」




恵衣も先生も出ていって、ただいま朝輝と2人っきりな状態。




「冷たいけど我慢してね。」


「うん。」



朝輝の持ってきてくれた氷水に足をつける。



「つめっ……」


「だから、冷たいっていったでしょ。」


「……。」


「優??」




朝輝は今2人っきりってことわかってんのかな??保健室は、それなりに体育館と離れてるし、一応授業中だから他の学年のやつもいないし。




家にいるときはおかあさんとかいるから2人っきりではないし。




「優??どうしたの??」



なかなかしゃべらない俺を心配そうな声で聞いてくる。



「ねぇ、朝輝。」



「ん??」といって首を傾げる朝輝。うん。可愛い。




「今さ、2人っきりなのわかってる??」


「へっ??」



一瞬考えてから




「あ、そうだね。でも、優はなにもしないでしょ??」




信頼されてるのはいいけど、たまに辛い。





「こっちおいで??」


「うん??」





なんの疑いもなく近寄ってくる朝輝。




ムカつく。



「うわっ。」


「…………朝輝……。」


「優??」




ぎゅー