「朝輝。寒くない??」
「ん??大丈夫大丈夫。」
しばらく歩いていると、そんなことを聞いてくる。確かに寒いけど、弟みたいな優に甘えるのは姉としての名が廃る……。
いろいろ考えてると、手を捕まれて優のポケットに突っ込まれた。
「優??」
「この方が暖かいでしょ??」
確かに暖かい……。それより、優と久しぶりに手繋いだな……。なんか、手、大きくなってる気がする……。
「はいはい。暖かい暖かい。」
ちょっと、恥ずかしくて棒読みでそう言った。
あれ??なんで恥ずかしいんだろ??
「素直じゃないんだからぁ。」
ツンツンとほっぺをつつかれる。うわー。やめてやめて、顔に熱が集中するのがわかる……。
「やめいっ!!」
ぺしっ。
思わず手を出す。ちょっと強かったかも。
「送ってくれてありがとうね。」
「うん。」
「それじゃ。」
優から離れるとさっきまで暖かかった手が冷たくなる。
ちょっと寂しい……。ってなに考えてんだ。
考えてることがバレないように家に入った。

