「んっ…………優!!」
「朝輝……。」
「いろいろ勘違いしてるよ……。」
勘違いとかしてないし……。
「まぁまぁ、そんな、興奮しないの!」
言い返そうとすると朝輝にさえぎられた。
「さっきしゃべってたのは、男の子じゃない。」
「??」
「女の子だよ。」
……ん??どういうこと??さっきの奴が女??
でも、どっから見ても男だったし……。
「笹原 真佑【ささはら まゆ】。女子バスケ部のキャプテンだよ。」
「そ、そうなの??」
「うん。でもって和奏のいとこ。」
「……へ??」
なんだ……俺の早とちりかよ……。
恥ずかしくなって思わず顔を隠してしゃがみこむ。
「はぁ……。で??なんでっ……その……キ……スしたの??それに……」
「焦ってたんだよ……。朝輝に気になる子ができたって聞いて……恵衣が早くしないと取られるとか言うから……。俺……。」
「…………優の好きな人って」
「朝輝だよ。ずっと前から……小さいころからずっと好き。」
「っ……。」
手の隙間からチラッと朝輝を見ながら言うと
朝輝の顔も真っ赤に染まっていた。
朝輝は俺に近づいてくるとすぐとなりにしゃがみこんで名前を呼んだ。
「優……。」
「ん??」
「あのね……」

