もののけ横丁

「まぁまぁ。たい焼き買ってきてくれるらしいから。」


雅が苦笑いしながら、恭平をなだめるように言った。


「たっだいまー!!!!」


そのとき、勢い良く扉が開いた。


「……………………でた。」


「おかえり、星奈ちゃん。」


#04の、神崎 星奈。


可愛いものが大好きで、恭平たちの一個下。


もちろん、同じ学校を受けた。


「あ、恭平もいたんだ。」


「恭平先輩、だろ!

なんだよ、いちゃわりーか!」


「あーもーうるさいなぁー。

恭平あっちいけー。」


「うるせー!たい焼き食わせろ!」


「え、恭平のは無いから。」


「は!?お前ふざけんなー!!」


いつもどおり。いつもの光景。


雅と新谷は苦笑い。


咲沙と剣心は、呆れながら、すでにたい焼きを口にしていた。


「あ、そういえば、お前、帰りになんにも会わなかったのか?」


恭平は、仁衣菜に襲われたことを思い出しながら星奈に聞いた。


「なんにもって?もののけ?会ってないけど」


「そっか………………ならいい。」


「?」


「何かあったの?恭平くん。」


雅がまた心配そうな顔をして尋ねた。


「いや……………………」


恭平はまた少し迷った。


どうしよう。言わないでおこうか。


ならば、どうやって誤魔化そう。


素早く頭を回転させ、不審に思われないよう、間もなく答えた。


「いや、帰りが遅かったし、真っ暗だっから。」


微笑んで雅に答えると、星奈がきょとんとした。


そして、星奈はもしかして…………と切り出した。


「心配したの?」


みんなは一斉に恭平を見た。


「やはり、そうだったのか…………」


「ロリコン……………………」


小さな声で、剣心と咲沙がつぶやいた。


「ちっげぇーよ!!

もののけでなかったか聞いただけだろ!!」


ゆでだこのようになり、必死に抵抗した。


「心配ご無用~!!

だってー、私、強いし。」


「うるっせぇわ!お前なんかまだまだだよ!

まず、的のど真ん中命中させろや!」


「あーむかつくぅー!んじゃ練習してくるからぁー、夕飯おいといて雅ちゃん!」


ドスドスと歩きながら、発砲許可練習室に向かった。


「星奈ちゃん、なかなかいい腕持ってるんだけどねぇ…………的のど真ん中は難しいわよ。恭平くんくらいよ、できるの。」


「いやぁ………………新谷先輩も上手いっスよ」


「ま、そーね。」


ふふふっと、可愛らしく雅は笑った。


「なんもなければいいんスけど…………」


窓の外を見ながら、恭平はつぶやいた。