もののけ横丁

仁衣菜はニヤリと笑うと、


こめかみに当てられていた銃を一瞬にして奪い、


するりと恭平の腕から抜け出した。


そして、恭平を押し倒し、そのうえに乗った。


すべてが綺麗に、流れるかのように一瞬で終わった。


「な、に…………………………」


「ねぇ、私を殺したい?」


仁衣菜は、銃口を恭平の胸に押し当てた。


「…………………………なぜそう思う」


「なぜって………………戦闘用騎士団だから」


「……………その答えは間違ってないかもね」


仁衣菜の金色の瞳は、真夜中のカナメ横丁に輝いていた。


「……………………何が目的だ。」


恭平は深呼吸をして、息を落ち着かせた。


仁衣菜は、クスクス笑った。


「遊びたかっただけよ?」


そう言うと、またまた一瞬にして、


銃を恭平のショルダーに戻した。


そして、恭平の上から飛びのいて告げた。


「私は、殺されない。殺せない。」


ふふふ、と、不吉な笑みを浮かべて、


仁衣菜は真夜中のカナメ横丁に消えていった。


黒色のしっぽをゆらしながら。


恭平は、ポカーンとし、起き上がることを忘れていた。


「……………………どういうことだよ、仁衣菜。」