『これこれ!はい、どーぞ!』


私は涼ちゃんに商品を渡した。


「すげぇな。ありがとう、助かったよ。」


「楓は裁縫好きだから詳しいんだよねー!」


なぜかなっちゃんが自慢気。


「これですんなり帰れるわ。
本当助かった!
じゃあ、俺はこれで。
菜月、立花さん、また学校で。」


私は無言で手を振った。


だって彼に会うことはもうないだろうから。