命の時間



みんなで食卓を囲んで、なっちゃんが作った、もといお母さんが作ったパンを頬張った。


今まで食べたどんなパンよりも美味しいかった。


「じゃあ、お父さんは会社行くから、楓、あと半日楽しんで。
無理はするんじゃないぞ。

・・・いつも一緒にいてやれなくてごめんな。」


『ううんっ!大丈夫だよ。お父さんが私の為に頑張ってる事ちゃんとわかってるから。
いつもありがとう。
ほらっ遅刻しちゃうよ?』


「あぁ、行ってきます。」


『いってらっしゃーいっ!』


お父さんは見えなくなるまで手を振っていた。