なっちゃんがいなかったので、起き上がってリビングに向かった。 『おはよう。』 「おはよう。楓。」 お母さんの方からパンのいい香りがする。 「あっおはよーかえでっ! 見てこれ私が作ったのー!」 そう言って少し形の崩れたパンを差し出してきた。 「菜月ちゃんは形作っただけだろう。」 お父さんの言葉でお母さんもクスッと笑った。 「えへへっ楓座って! 一緒に食べよっ!」