「落ち着いた?」

あれから私は何分くらい泣いていたんだろう。

蛍はずっと背中をさすってくれていた。


「もうっ…大丈夫…」


そう言いながら私は蛍から離れた。


「なにがあったの?」

微笑みながら、蛍が私に問いかけた。


「といれっ…トイレにっ…おんっ…女の子が」


「女の子?」


蛍が不思議そうに聞いた。


「うん…小さい、女の子」

「花子さん?」


「ちがうっ…私、呼んでない」


「え?どんな子?なんか言ってた?」


「えっと…私の肩を叩いて、『死んじゃうよ』って…」

蛍は顔を歪めた。


「蛍?」

不思議に思って、問いかけると

「小さい女の子なんでしょ?」


「うん」


「肩…叩けなくない?」


「え?そういえば…」