今は、2時間目と3時間目の間の休み時間。


今、私はトイレの手洗い場にいる。


トントン


誰かが肩を叩いた。


「おねえちゃん」


後ろを向くと幼い女の子。


「どうしたの?」


私はしゃがんで声をかけた。


「死んじゃうよ」



ニヤッと笑いそう言った。


え?何。この子。


なんでここにいるの?高校だよ?


それに、普通そんなこと言う?



「ねぇ?死んじゃうよ」



怖い。



「おい!千冬!早く行かないと、遅れるぞ!」



「蛍!」

廊下から蛍の声が聞こえる。


私は怖くなって蛍の方に走り出した。



トイレを出ると蛍がいた。



「けいっ!」


私は蛍に抱きついた。


「どうした⁉︎」


普段私からはそんなことしないのでびっくりしている。


「千冬?なにかあった?」



私は震えて何も言えなかった。


「千冬?とりあえず落ち着こう?」



蛍が背中をさすってくれる。


キーンコーンカーンコーン


チャイムが鳴った。


次は全校生徒で文化祭の準備だ。


だから誰もいなかったんだ。



「いこっ、」


私は蛍から離れようとした。



「まだ落ち着いてないんでしょ?ここにいればいいよ。文化祭の準備は外だし、チャイム鳴っちゃったし。ね?」

そう言って、抱きしめ直してくれた。



やっぱりだいすきだよ。