急ぐこともなく、
ゆっくり歩いていると
後ろから声をかけられた。

「ゆめ!お前も遅刻かよ」

「なーんだ、そらか」

そらっていうのは私の幼馴染で
唯一、信じられる人。

「なーんだ、ってなんだよ
 俺じゃ不満ですか」

そう言って、プクッと
ほっぺを膨らませるそら。

「そんなこと言ってないで、
 遅刻するよ?」

「もう遅刻じゃん」

笑いながら、時計を見せてきた。
時刻は8時50分。