あれから一年、高3になった私は、大学が早期入試で決まり、バレンタインを雅喜と過ごせることになっていた。


「もうすぐ、バレンタイン、、、だね」


デートの帰り際で、二人で暗くなる道を歩いていた。



「だなあ、、、。」


「困るよ、私どうすればいい?何なら食べられる?」


「え?」


「チョコレート!嫌いでしょ?」


眉をひそめながら雅喜を見上げる。


「うわ、何そのかわいい顔、狙ってんの?」


「そんなわけないでしょ!!」


「怒んなって。甘すぎないカップケーキなら、いける。」


「ほんと?じゃあそうしよっと!」


雅喜に顔を向けると、私を見つめて優しく微笑んでいた。