ハジマリはバレンタイン

「奈津美!」


「あ!」


目立たないように帽子を深めにかぶって、向こうから手を振ってる雅喜に駆け寄る。

今日はデート、久しぶりに休みの雅喜が誘ってくれた。



「そんな変装で、大丈夫なの?てか、帽子深すぎ、前見えなくて危ないよ。」


手を伸ばして帽子を少しあげようと触れると、その手を優しく握られて下ろされた。


「大丈夫。」


「手、、、。」


そのまま両手は捕まれたまま。


「手?」

わざとそう言って少し微笑みながら、片手をはずし、もう片方の手は握り直して、雅喜が歩き出した。


「いこ。」


「うん。」


ドキドキさせられっぱなし。

こんなんで、今日私、持つのかな。