ハジマリはバレンタイン

それから、そんな事を不安に思うことさえ忘れてしまうくらい、忙しい日々がまた始まっていた。


今日も取材、いつもと違うスタジオだ。


取材が終わって宮崎が待つ駐車場まで関係者通路を歩く。


すると向こうから一人の女の人が急いで走ってきて、通り過ぎてしまった。


出口まで行くと、どこかでみた顔。


あのときの女の子だ。


するとさっきのは、この子の母親?


母親を見送って帰ろうと向きを変えた彼女を見て、思わず声をかける。