それから数日経った土曜日の午後、家にいると携帯が鳴った。 見ると、母親からメッセージが。 『奈津美!!お願いがあるの! ママの机の上に置いてある大きい封筒、今日どうしても必要だから会社まで届けに来て欲しい(>_<) ごめんね!』 忘れ物かあ ママは、ある雑誌の編集社で働いている。 家からは電車で4駅。 コートを羽織って封筒をカバンにいれた。 『了解、今出るよ』 返信をする。 『ありがとう!裏の関係者通路のドアの前で待っててね』 はいはい、小さく呟きながら家を出た。