隣のクラスの転校生【完】


それから、その次の日も、その次の次の日も。

雨が振ってなくてもずっと毎日、桐生渉をバス停で一緒になった。本当ならなんで毎日いるんだ、と問いただしたい。にしてもほぼ毎日同じバスの時間。


まぁ、もちろん話もしない、目が合うくらい。


話さなくても分かったことが何個かある。

桐生渉は色々なジャンルの音楽が好きならしい。
バス停で隣に並ぶと必ず桐生渉のイヤホンから毎回違うジャンルの音楽が聞こえる。

桐生渉は携帯依存症らしい。
バスに乗っているときはもちろん、歩いてる時もいつも携帯を触っている。彼女とでも連絡しているのか。

桐生渉はやっぱりたらし。
この間も隣のクラスの女子とバス停まで歩いてきて、バスの中では仲良く二人並んで笑いながら話していた。え、彼女いるんだよね?え?二人っきりだよ?私がおかしいの?なんて自問自答を繰り返していた。