「俺、遊びとかじゃなくて。本気で市村さんが好き。……市村さんは?」
「お前なんて、チャラくて、女の子と仲よくて、タラシで、大嫌いだ。」
制服のスカートをぎゅっと握り締める。
あと一言。
「…、」
「でも。好きになっちゃった。」
これこそ惚れたもん負けか。
「っ、あー、市村さんずるい。なんでそんな可愛いこと言うの。やめてよ。」
「え!?は!?え!ごめん!!」
「…はは、そうじゃないんだけど…。まあいっか、帰ろ?彼女さん。」
「かかかか、彼女さん!?」
「え、違うの?」
コテッと首を曲げる桐生渉。くそお、実に画になる。
これこそ惚れたもん負けだ。こいつ確信犯だな。
「…そうです。彼氏さん。」
私の右手を握る桐生渉。その瞬間右手に全神経が集中する。緊張しすぎて全身がガチガチ。



