「確かに転校してきたときは俺には彼女がいた。でも俺好きな人が出来たから別れたんだ。もともと元カノに何回も告白されてて、俺に好きな人が出来たら別れる。っていう条件で付き合ってたから元カノもすぐに理解してくれて、別れることが出来た。
市村さん。俺が転校してきた時はバス通学じゃなかったよね?」
その真剣な眼差しに、私はこくりと小さく頷いた。頷くことしか出来なかった。
「だけど、市村さんを見た瞬間。一目惚れしちゃって。それから俺は毎日バス通学になった。」
「きき、桐、生渉。それって…っ!」
「…っ、は初めて名前呼んでくれたね。学校で目を合わせなかったのは、まあ一言で言うと恥ずかしかったから。俺すぐ顔に出ちゃうから、」
と顔を真っ赤にする桐生渉。



