1ヶ月後。
龍也は退院した。
倉庫で居ると、帰ってきた。

抱きつきたかった。
でも。後ろの存在に気づいてしまった。

「おい、みんな。
これは俺の女だ。姫にする!」

シーンと静まり返った。

『龍也さんの女は!姫は!皐月さんじゃなかったんですか?!』
『俺らは皐月さんしか認めない!』

「うるせえ!俺の命令は絶対だ。」

『すみません。わかりました。』

私は呆然とたっていた。
すると
「何でおまえがそこにいるんだよ。
でていけ。」

「あ、迷い込んでしまったのかも。
ごめんね、」

凄く声がふるえた。 

さっちゃん…
皐月…
皐月さん…

みんなに心配させてしまった。
「ごめん!最後に少し話させてもらっていいかな?」

「少しだけなら。」
そう龍也に了承をえて、ステージにたった。

「みんな、ごめんね、全ては私が悪いの。
私が原因で龍也の記憶を失った。
でもね、失ったのが私の記憶だけでよかった。
みんなにはたくさん迷惑をかけたし、元気をもらってばかりだった。
なんの恩返しもできないけど。ごめんね、許してね。
これからは優香さんが姫です。
みんな、守ってあげて。
みんなと過ごした日々は宝物です。

優香さん。
龍也は記憶を失ってもまた、私を選んでくれるっておもってた。
そんなこと考えてるからこんなことになるんだよね。私。
きっとこの事は私に私じゃ龍也を幸せにできないって神様が伝えてくれたんだと思うの。
きっと龍也を幸せにできるのは優香さんだよね。これからは任せるね!」

涙は溢れたけど、いいたいことはいえた。
だからもう大丈夫。

その時。

「は?俺らの気持ちは?!こいつは姫の立場だけがほしいだけだ。
そんなやつ護りたくない。
俺ら天龍が護りたいのはお前、皐月だけだ。」
そーだ!そーだ!
とあちこちから声が聞こえてくる。

そのとき、
「そーよ!その通りよ。
でもね、龍也は私が好きなの。だから嫌よ。譲らないわ。」

すると
「誰だ?この女。」

…え?

『記憶戻ったんですか?!』

「ああ。皐月。思い出した。
辛い思いさせてすまなかった。」

「嘘…?!催眠術かけたのに。もういいわ!しらない!」