「ねー、結月はどんな人がタイプー?」
昼休みぼーっとしている私、大倉結月を我に戻したのは、友達の中谷菜穂だった。お弁当を教室で食べ終えて、雑談をする時間。
「また死んだ魚の目みたいになってたよー」
と、笑いながらどけのある言葉を発してくるのは井川真夏である。高校二年生になってからはこの三人でつるんでいる。
菜穂は女バスに入っていて、他のクラスにも友達が多い。真夏は昔から習っているサッカーが凄く上手くて他のクラスでも噂になるほど。この二人は社交的で友達もおおくて、男子ともよく絡む。
そんな私は勉強も中の上で、運動なんて破滅的、友達も少ないし、面白くないし、あんまり笑わないし、真顔なんて凄く目つきが悪い。…なんでこんな私が二人と仲良くなれたのかは自分でも謎だ。



