正反対ですから!【完】



「確かに最初は大倉さんの気を引こうとして髪、黒に戻したり、真面目になったりしてた。…でも大人しい子ともちゃんと話してみたり、クラスの係りをやったり。…なんていうか、みんなの笑顔みてるすんげえ嬉しくて。

大倉さんがあの日俺に説教したときの言葉の意味が段々分かってさ。…本当に大倉さんには感謝してるんだ。」


私の中に入ってくるような視線は私を動けなくした。…人ってこんな変われるんだ。そう思った。加賀の言ってることが前の加賀からは想像もできない言葉で、


心の中から熱いものがこみ上げてきた。


「ちょっ、なんで泣いてるの?」

慌てて近づいてくる加賀からは爽やかな柑橘系の匂いがする。…一年前まではキツイ香水の匂いがしてたのに。