「単刀直入に言わせてもらうけど。
あのさ、大倉さんって俺のことキライだよね。」
予想もしなかった言葉に私は思考回路が停止する。
再び奴に焦点を合わすと嘘っぽい笑顔は、勝ち誇ったよう不敵な笑みに変わっていた。綺麗な形をした唇は綺麗に弧を描いていた。
夏でもないのに、どばっと汗が出た。奴の目は私をとらえて逃がそうとしない。答えないと絶対にかえしてくれない。
………こんなの本当のこという絶好のチャンスじゃない。
「うん、キライだよ。」
「おう。正直だね大倉さーん。」
本当のことを言っているのに動じずに穏やかな笑顔の奴。なんか凄くむかつく。…やっぱり嫌いだ。



