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『イエーイ!!こっちは楽しんでるぜ!!』
波多野くんから写真付きのメールが送られてきたのは、パソコンで平安時代の甘味について調べていた昼過ぎのことだった。
バーベキューグリルの上には美味しそうなお肉と野菜。背景に映る河原には水と戯れる同僚達。
(くっそう……。楽しそうだな……)
私は携帯を握りしめ、悔し紛れに“食べ過ぎ注意!”と返信した。
土曜日は朝からよく晴れた。
春真っ盛りのぽかぽか陽気は行楽日和もしくはバーベキュー日和と言えるだろう。
ガラス戸を開けてお庭に出ると、雲ひとつない空に向かってうーんと伸びをしてみる。
(本当に良い天気)
温かくて良い天気だというだけで、春は人をウキウキとした気分にさせてくれるから好きだ。
そうだ!と思い立って押し入れから布団を取り出し、日当たりの良い廊下に敷いた。
本当は外に干せれば良いのだけれど、さすがに物干竿はないのでこれで我慢する。
これで今日はふかふかの布団で寝られるぞと笑みを深くする。
いつまで続くか分からないプチ軟禁生活では、些細なことが大きな喜びとなる。



