「どうすれば本気で信じるんだ?」
むしろ、どうやったら信じることができるのか、こっちが教えてもらいたいくらいだ。
8歳も年下の男の人に迫られた経験などないから、本気で分からないよ。
「いい加減、年上をからかうのはやめて……」
「年上なら、教えてよ。オネーサン」
ペロリと舐められた右耳をとっさに押さえる。
(なんてことしてくれるのよ!!)
悪戯に耐えきれなくなった私は志信くんの身体を押し返して、逃げるように告げた。
「お風呂入ってくる!!」
バタバタと廊下を走って脱衣所の扉を後ろ手に閉めると、その場にへたり込む。
志信くんの掌の上で転がされているような気分だった。
……なんてみっともないんだろう。年上の余裕もへったくれもない。
鏡に映る真っ赤に染まった自分の顔がひどく情けなく思えてしかたがなかった。



