真尋は気を失っていた。
長年の昏睡状態から覚めたばかりだというのに、興奮して暴れたせいだろう。
朧はしばらくの間、絶対安静という診察を下した。
今は正宗が付き添っている。
朧は真尋に叱られたことが、大分堪えたようだ。バツが悪そうに謝罪すると橘川病院へと戻って行った。
小夜に要らぬことを吹き込んだ黒幕は朧だった。
けれど、俺は朧だけを責めることはできない。
(真尋の言う通りだ)
俺は小夜に甘えていたんだ。
俺の我儘を笑って許すあいつに身を委ねている方が楽だったから、笑顔の裏で、思い悩み、苦しんでいたことに気付けなかったのだ。
……誰よりも、何よりも、大事な女だったのに。
先に手を離したのは俺の方だった。小夜を信用せず、不都合な真実を隠すことで自分の身を守っていた。
「待っていろ……」
どこに行ったとしても、絶対に見つけ出してみせる。
そして、見つけ出すことが出来たら。
……今度こそ離さない。



