(そうだったのか……)
小夜は俺と真尋の関係を誤解していたのだ。
実際、俺と真尋の間にそういった男女関係が成立したことはない。せいぜい、肉親のような親しみを覚えている程度だ。
「こんなことされて目覚めたってちっとも嬉しくないわ!!寝ていた方がましよ!!」
「真尋、落ち着け!!滅多なことを言うな!!」
辺りにあったものを手当り次第に朧に投げつけようとする真尋を、背後から腕を掴んで正宗が止めにはいった。
「離してよ!!正宗!!」
弱った身体の真尋と正宗では圧倒的な力の差があった。
真尋がどれほど抵抗したところで押さえ込むのは容易いことだった。
「みんな酷いわ……」
行き場を失った怒りが今度は俺に向けられる。
「小夜さんは正直に話せば、志信さんのことを許してくれたはずだわ!!」
真尋に指摘され、目から鱗が落ちたような気分になった。
俺は……今まで小夜の何を見てきたんだろう。
「小夜さんが可哀想よ……!!」
真尋は力一杯込めて言うと、突然身体が傾いで正宗の腕の中に落ちていった。
「真尋!!」



