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……ひとつになるって、きっとこういうこと。
互い違いに絡ませた指をベッドに押し付けられ紡がれていくのは、身体を熱くさせる甘い言葉ばかり。
「小夜……もっと溶け合いたい……」
「ん……私も……」
志信くんは返事を聞くと嬉しそうに橘の痣に噛みついて、私の身体に再び愛される喜びを与えていった。
……全身がチョコレートみたいに溶けてしまったみたい。
あと何回身体を重ねれば、ひとりの人間になれるの?
ふたつの身体に別れていることがこれほどもどかしいなんて初めて知った。
今なら“カグヤ”を探し求める“カグヤ憑き”の気持ちが分かる。
……別れた心がひとつになりたいと苦痛にもがき苦しんでいる。
(志信くん……っ……)
涙目になって求めると、すぐさま気づかれて唇を塞がれる。歯列を舌でなぞられると、更なる熱情が身体を走る。
やがて、体力の限界に達し疲れ切って俯せになった私に志信くんが最後通告のように囁いた。
「20年、我慢してきたんだ。覚悟してろよ」



