今宵も、月と踊る


向日葵畑と化していた部屋の片隅に置かれていた写真立てには、仲の良さそうな高校生三人組の写真が飾ってあった。

向かって左手には無愛想な面構えでシャッターを切る人物を睨んでいる志信くん。

右手には眼鏡を着用した真面目そうな男子が立っている。

……朧さんに聞いたところ、橘川家に代々仕えている蓮田家の正宗くんというらしい。

中央には両隣の男子達と腕を組んで微笑む、在りし日の真尋さんの姿があった。

三人の関係性は説明されなくても明らかだった。

朧先生は彼らが同じ年の幼馴染みだということ、志信くんと真尋さんは所属していた弓道部ではライバル同士だったということを教えてくれた。

……だから志信くんにはスポーツに対して理解があったのかと納得してしまう。

「真尋の容態は今こそ安定しているが、これからどうなるか分からない。一刻も早く目覚めるに越したことはない」

寝たきりの状態は筋肉を衰えさせ、点滴とわずかな流動食でしか栄養を摂取できないため血色が悪く、こけた頬は丁寧な化粧でも隠しきれていなかった。

私はもう一度、写真立ての志信くんと真尋さんを見つめた。

……そこに、私が割って入る隙間などありはしなかった。