志信くんとの最初の出逢いから、“カグヤ憑き”のこと、豊姫のこと……そして、真尋さんのこと。ひとつひとつ順を追って説明していくうちに、鈴花はどんどん口数が少なくなっていった。
「信じられないわ……」
最後まで話し終えると鈴花は、ふうっと長く息を吐いた。熱心に聞き入っている内に呼吸をするのを忘れていたようだ。
「やっぱり?病気を治せるとか、十二単の幽霊とか、オカルトっぽいよねえ……」
事実をありのまま話しているわけだが、話している本人ですら嘘を言っているようにしか聞こえないので困ってしまう。
「そっちじゃなくって!!志信さんが“真尋”って子を目覚めさせるために小夜を騙していたってことよ!!」
鈴花は興奮してダンっとテーブルを拳で叩いた。
妊婦なのにそんなに興奮して大丈夫なのかと心配になってくる。
「誤解があるんじゃないの?本人に確かめたの?志信さんは小夜の事をそれは大切に想っていたわ」
「確かめるまでもない……ことだから」
隠されていた真尋さんという存在が私の利用価値を既に証明している。
朧先生は真尋さんについて、私の知らないことを色々と教えてくれた。



