夕方になるとコンビニの袋を手に志信くんが大学から帰ってきた。
「遅くなって悪かった」
「ううん、平気。薬を飲んで寝ていたら熱も下がってきたから……」
悔しいことに朧先生が届けてくれた薬は良く効いた。1時間ほど前に体温を測ると、37度6分と、今朝より随分熱が下がっていた。
「そうか……良かった」
志信くんは安心したようによしよしと私の頭を撫でると、着ていた黒のロングコートと紺色のマフラーを脱いで、おもむろに持っていたコンビニの袋を突き出した。
「小夜が好きそうな甘いやつを買ってきた」
「こんなに?」
袋の中にはプリンやらアイスクリームやら菓子パンなど普段から私が好んで食べている間食たちが詰まっていた。それも全部2つずつ。
いつも豊姫の分と合わせて買ってきていたから、大食いに思われているのだろう。
(甘いものは好きだけど、さすがにこの量はきついかも……)
でも、寝込んでいる私を元気づけるために、志信くんなりに一生懸命考えてくれたのかと思うと弱音は吐けなかった。



