「ハガキを50枚と、80円切手を100枚ください」
窓口にいる局員に対応してもらって無事にお使いを済ませると、今度はコンビニに向かう。
アイスのショーケースに手をついて、どれを買うべきか物色する。
(ど、れ、が、良いかな……)
つい目移りしてしまうはコンビニめぐりを唯一の趣味としていた頃の悪い癖だ。
結局、大人数で分けられそうなバラエティパックと、口に突っ込むのにちょうど良さそうな棒アイス、常備用にカップアイスをカゴの中に入れてレジに持っていく。
「二千三百円です」
会計の声に従って都築さんから預かった五千円を差し出す。
お釣りをもらう際にふと顔を見上げれば、レジ打ちをしていた店員は志信くんと同じ年頃の男性であった。
ただし、長めの茶髪を一つに結わえ耳元で派手なピアスが揺れている姿は、志信くんとは似ても似つかない。
……あの時の豊姫の声が蘇ってくる。
“志信を好きになっていけないわ”



