『もしもし』
「鈴花?招待状、届いたよ」
肩と耳の間に携帯を挟みながら靴を脱ぐと、テーブルにレジ袋を置いた。
「おめでとう、鈴花」
『ありがと。小夜』
照れたようにえへへと笑う鈴花の幸せそうなことといったらなかった。まるで自分のことのように嬉しくなる。
昔からそうだ。
鈴花の纏う優しい雰囲気は、周りの人を幸せな気持ちにしてくれる。
それに私がどれだけ救われたことか……。
『小夜は当然、着物で参戦してくれるよね?そういう約束だったもの』
「わかってるよ」
念を押されるように言われて、苦笑いしてしまう。



