「良く来るの?」
「まあな。一人になりたい時とかに」
都会育ちの志信くんがこんな素敵な場所を知っているなんて、他人は見かけによらないということを身をもって知る。
小屋の中には簡易ベッドと、テーブルセット、いくつかの調理道具。頭上には白熱灯が裸でぶら下がっている。どうやら電気と水道は完備されているようだ。
私達は小屋の中から屋外に椅子を運ぶと、ゆっくりと星空を眺め始めた。
都会では味わえない天然のプラネタリウムは、風のそよぐ音と鈴虫の鳴き声というBGMつき。
「飲むか?」
志信くんはサービスエリアで買ったオレンジジュースのペットボトルを手渡してくれた。
「ありがとう」
私はペットボトルを受け取ると、キャップを捻ってジュースを口に運んだ。
やけに買い込むなと思ったけれど、最初からこの場所に連れてくるつもりだったなら納得の行動だった。
(志信くんって、意外とロマンチスト?)
そう思うとクールな表情とのギャップにクスリと笑みが零れた。



