三好屋から駐車場までの道すがら、志信くんは私と俊明さんの関係について尋ねた。
「三好屋の若旦那と知り合いだったのか?」
「知り合いなのは若旦那っていうより、若女将の方ね。大学生の頃からの長い付き合いよ。それがどうかしたの?」
「別に……」
私が答えた途端に興味が失せたように、冷たい眼で見られる。
(なによ、自分から聞いたくせに……)
前々から思っていたが、志信くんはちょっと傲慢なところがある。今日だって何の説明もなく三好屋に連れてこられた。
芽生えた反発心はそのまま、志信くんへと向かう。
「私の着物を仕立てるなんて聞いてなかったんだけど?」
「……言わなかったからな。どうせ断られると思っていたし」
「当たり前でしょう!!借金だってあるのに……」
「あんたに払わせるわけないだろう?」
「じゃあ、誰が払うのよ?」
「俺」
……着物一着、いくらすると思っているんだ。
私は怒りを通り越して、今度は困ってしまった。



