鈴花はメジャーをクルクルと私の胴体に巻き付けて、各部位の採寸を行っていった。
黙っていたことに腹を立てているのか、無言である。社交的で明るい鈴花からは考えられないほど無愛想な態度だ。
私だってまさかこんな形で知られるとは思ってもいなかった。
「鈴花、機嫌直してよー」
採寸表に値を記入している間も鈴花は沈黙を貫いた。
ようやく口をきいてくれたのは、全ての採寸が終わって従業員が盆にのせてお茶を持ってきた頃だった。
座布団の上に向かい合わせで座ると、鈴花は湯呑に手を添えてふうふうと息を吹きかけて湯気を揺らしていく。
私は謝罪の意をこめて正座だ。
「志信さんとはどういう仲なの?小夜の為に着物を仕立てるなんて、普通の知人じゃないよね?」
「これには深い事情がありまして……」
というか、三好屋に来た目的が着物を仕立てるためだなんて、私だって知らなかった。
知っていたら断固反対していたのに。あとで志信くんに文句を言ってやろう。
お店に来て採寸までされたら、今更断るなんて出来やしない。



