…また月曜が来ちゃった。
 早苗はうんざりした気持ちで目覚まし時計をとめる。
 当然そのまま起きたりはしない。アラームを10分後にセットし、もう一度ベッドに潜り込んで目をぎゅっとつぶる。

 ウトウトとまどろみだしたところで、再び目覚まし時計がピリピリと鳴る。
 早苗は片手で目覚まし時計をとめながら、頭の中で素早く計算をする。
 …今日は朝ごはん抜きでいいや。化粧も適当バージョンで。支度に20分かかるとして、いつもより一本遅い電車でもギリ間に合うから…うん、あと30分は寝られる。

 これが28歳派遣社員、小此木早苗の毎朝の恒例行事である。